技術士(総合技術監理部門・建設部門)・RCCMなど資格取得の「らくちん必殺技?」の完成を目指すブログです。
Bグループ

私は、次の問題に答えました。

Ⅰ-3
川幅が狭い単断面の掘込み型の巾小河川(流域面積が200Km2未満)を対象として現況の流下能力の数倍を改修目標とした河積の大幅な拡大を伴う河道計画について検討を行う場合の基本的考え方について説明せよ。また、計画高水位、河道の法線形状、川幅、横断形状、縦断形状、粗度係数などについて、計画する上での配慮事項について要点を整理して論ぜよ。


次のような感じで答えました。

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基本的考え方
・治水機能と調整を図りつつ、川本来の自律性を発揮するよう整備する。
・特に河床の流動性に配慮するとともに、現況の澪筋や河床材料、巨礫の保全を基本とする。
・現況の瀬と淵や、水際のエコトーンの形成に配慮し、生物多様性に配慮する
・整備段階から、川らしさを生かした自然観察や憩いの場としての利用に配慮するとともにに、地域参画による環境管理を目指すこととする。

個別要素計画の配慮事項
・計画高水位
下流の堤防の安全性に配慮し、地盤高との差をできるだけ小さく設定する。

・河道の法線形状
現況のみお筋の状況が良ければ、極力変更せず、自然の復元力を発揮するよう整備。

・川幅
河積の増加には、川幅の拡大で対応し、洪水時の流速や掃流力を増大させない。

・横断形状
河床幅員を十分にとることで、河床の自由度を高めるよう法勾配は5分を基本とする。
河床巾が横断形の3倍以上確保できる場合には、緩勾配を採用する。
河床掘削する場合には、現況縦断を平行移動する。
河床材料と掃流力の関係を検討し、自然の復元力を活用するよう計画する。

・縦断形状
床止めなど横断構造物は原則として採用しない。
河床掘削する場合には、現況縦断を平行移動する。

・粗度係数
現況が良好な河川では現況並みとし、少なくとも現況より小さくしない。

・その他
整備段階の地域住民への説明
可能な段階から積極的な住民参画の促進と水防意識の醸成
生態モニタリングと順応型管理の組み込み
ハードとソフトの水難対策への配慮
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以上 各項で、細かくは河川環境の観点からコメントを加えましたが、
やはり、中小河川に関する河道計画の技術基準(20年3月)が基本になります。
この基準は、多自然河川づくりを経てきた河川技術の知見を充分に継承しており、ひとつひとつ深読みして、バックデータとなる事例や研究を検証してゆくと、なかなか含蓄があります。

ちなみに、私はある仕事の課程で、この基準について、書籍などで検証しながら勉強しました。特に次の書籍は非常に参考になりました。ついでに御紹介させて頂きます。


移動床流れの水理学

http://www.7netshopping.jp/books/detail/-/accd/1102149623/subno/1
移動床流れの水理学
お客様おすすめ度
★★★★★
著者/訳者
関根正人/著
出版社名
共立出版
発行年月
2005年02月

本の内容
実河川のように固体壁面が土砂で構成されている場合には、水の流れによってこの土砂が移動し、この壁面が浸食を受けたり、壁面上に堆積が生じたりすることになるため、結果としてこの固体壁面である地形そのものが変位を起こすことになる。このような流れを移動床流れと呼ぶ。本書は、このような移動床流れを対象としており、「移動床水理学」あるいは「土砂水理学」にかかわる基礎的な知識を整理し、これをできるだけわかりやすく解説することを目的としている。
大学土木系には必須のテーマである水理学の基礎の取得はもちろん、次のステップにあたる河川工学へ切り替えができるようにまとめた。
目次
水流の支配方程式
不等流計算法
平面二次元流れの解析
開水路流れの乱流構造
河床構成材料の性質
限界掃流力
流砂過程と掃流砂量関数
物質の乱流拡散と浮遊砂理論
粘着性材料の浸食過程
河川地形とその形成
地形変動とその予測
植生水理学
河道の自律形成機能

★特に、最後の「河道の自律形成機能」についての著述が、シビレます。

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コメント
この記事へのコメント
1-3か1-7かを悩み,
結局,知識のある「土石流」を選択しました。

「中小河川の河道計画」に対するあなたのメモが,大変参考になります。
どうもありがとうございました。
現在,選択しなかった問題に関する資料を収集中です。
思えば,専門とする事項を「河川及び砂防」としておいたことがよかったです。
発災後の調査事項と二次災害を回避しながらの緊急対策は,実体験を記しました。
課題は,人心の安定(民生安定)です。
これを図るために,いろいろな技術を駆使するのだと思います。



2010/08/26(木) 19:44 | URL | DAI #-[ 編集]
自己飼育と言われる人間社会の本質的な課題ですね。

おっしゃるように、
いろいろな技術の動員が不可欠でしょうね

なかなか、難しいけれど、
日常のアプローチが基礎になるのだろうと思います。

DAI様は、徳島県技術士会から来られているとのことでしたが、公共の方ですか?

最近は、役所の方々もせちがらく、財源が厳しいからという話ばかりが先行して、、、

例えば、阪神間では、震災直後に指定された重点密集市街地がほとんど手つかずです。

私たちのような民間技術者から物事を動かすことは難しく、真摯でまともな公共の技術の方に期待させて頂くばかりです。

なかなか、自分自身が極端な貧乏暇なしで、ろくなことがありません。
2010/08/26(木) 20:56 | URL | らくちん技術士 #sSHoJftA[ 編集]
移動床の水理学もちらっと読みました。でも河川屋であれば、構造沖積河川学は一読すべき書籍と思います。お勧めです。

よけいなお世話かもしれません・・・。

2010/12/01(水) 23:40 | URL | 公共の河川屋 #-[ 編集]
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