技術士(総合技術監理部門・建設部門)・RCCMなど資格取得の「らくちん必殺技?」の完成を目指すブログです。
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●コンパクトシティの政策的位置づけ

いきなり話題が都市計画に戻ります。最近、「コンパクトシティ」という言葉も定着してきましたが、その議論が、主観的な解釈により過ぎるような気がしているような気がして少し振り返って見ました。

現在の意味合い(=集約型都市構造の形成)で、コンパクトシティが議論され出したのは、平成14年に国土交通省の社会資本整備審議会(都市計画部会及び歴史的風土部会)が再編成されてからだと記憶しています。
現在の意味合い(=集約型都市構造の形成)で、コンパクトシティが本格的に議論され出したのは、平成17年に国土交通省の社会資本整備審議会においてだと思います。

その経緯は、17年度当時の審議会資料に詳しいので、是非とも参照されることをお勧めします。

http://www.mlit.go.jp/singikai/infra/toushin/images/04/01.pdf

http://www.mlit.go.jp/singikai/infra/toushin/images/04/021.pdf

http://www.mlit.go.jp/singikai/infra/toushin/images/04/022.pdf

http://www.mlit.go.jp/singikai/infra/toushin/images/04/023.pdf

http://www.mlit.go.jp/singikai/infra/toushin/images/04/024.pdf

http://www.mlit.go.jp/singikai/infra/toushin/images/04/025.pdf

http://www.mlit.go.jp/singikai/infra/toushin/images/04/026.pdf

(これが、18年のいわゆるまちづくり三法の改正にたどりついた訳です)
・長期的な人口減少の見通しが明らかとなり、土地利用の極端な密度低下による現在の都市基盤並びに各種のインフラの維持更新が懸念されています。このような懸念を助長する現象として「市街地の拡散に大きな影響を及ぼしている郊外のロードサイド等への大型店の立地」と「中心市街地の衰退」が注目され、そのような土地利用の拡散傾向を抑えながらあわせて既成市街地の再活性化を図る集約型都市構造を誘導することを目的に三法が改正されました。
・言い換えると、人口減少・超高齢社会にふさわしいまちづくり=市街地の郊外への拡散を抑制し街の機能を中心市街地に集中させる「コンパクトシティ」という考え方を具体化する取組みです。

(これらの改正は簡単に言うと、それぞれ下の①-③のようなことです。)
「中心市街地」や「大型店」などそれぞれ話題になりそうなことに目を奪われがちですが、組み合わせて俯瞰するとコンパクトシティ形成の基本課題に対応したものであることが理解されると思います。

 ①中心市街地活性化法:中心市街地の再活性化(中心市街地への支援措置の更新)
 ②大店立地法:大型店の周辺環境への適応(10000㎡超の大型店の立地規制)
 ③都市計画法:都市計画による大型店の適正配置(用途地域による規制)及び市街化調整区域の大規模開発のさらなる抑制

次のURLは熊本県のホームページに掲載されている資料です。
http://www.pref.kumamoto.jp/promotion/shougyou/pdf/sanpou_01.pdf


●コンパクトシティの実現課題など

(まちづくり三法の改正で、コンパクトシティ形成のための基本的な枠組みは用意されましたが)これらを運用し、それぞれの地域に合った形でコンパクトシティを形成してゆくための技術的な課題は山積みと言えます。
少し、思いつくままに、その実現課題と技術的対応をあげてみます。

・10000㎡未満(9000㎡の商店など)の無秩序な立地をどうコントロールするか
きめ細やかな土地利用戦略の構築と特別用途地域、特定用途制限地域などの適切な運用(市街化区域・非線引き白字地域)
土地利用調整条例の策定(都市計画区域外)、準都市計画区域の設定(線引き都市計画区域に隣接の場合)

・市町村合併の自治体における不均一都市計画の運用
都市計画区域再編と集約型土地利用計画の策定及び用途地域の設定など(特に非線引き都市計画区域)

・既に形成された根強い車社会と困難な中心市街地の活性化
集約的な新活力創出ゾーン等の形成のための開発促進地区計画の運用

・法改正で規制されたものの、地域の産業振興の起爆剤として期待したい工業団地の開発
市街化調整区域における地区計画の策定もしくは、新工業団地の市街化編入

・ますます、崩壊に危機に頻している中山間地域の振興
環境共生型土地利用計画の検討(多自然型居住の推進・農家民宿などエコツーリズムの推進・構造改革特区、地域再生計画制度などの活用)
産業政策との連携(集団営農の推進・特産品づくりの推進・コミュニティビジネスの育成)

・撤退する民間バス路線による公共交通利用困難地域の増加)
コミュニティバスの再編・DRTの採用・相乗り乗用車(タクシー)の運用・各種助成制度の確立

・中心市街地の実効ある活性化
中心市街地活性化基本計画の作成とまちづくり交付金の活用(現法の支援では限界がある。コミュニティビジネスとの連動や地域協議会による活動の促進など、地域個性と元気な高齢者のスキルの活用の観点が重要となる)

(現実を振り返ってみると、)
 既に、市町村合併後の多くの自治体では、郡部から市街地部への転居傾向が顕著であり、中山間地域も急速に崩壊しています。一方で、東京への再集積が進んでいます。まちづくり三法の改正は、「東京など都市圏では、どこにでも投資可能だが、地方都市では、極く一部の市街地にしか投資出来なくなる」というような見方もあり、地方の切り捨てとも言われています。まちづくり三法の改正は、小泉政権で、自公が圧勝したドサクサで一気に法案が通された経緯があります。

★まちづくり三法の「コンパクトシティ」の論理は、極めて理論的かつ急進的なものです。
☆19年度に、国交省が整備路線を完成させるとして作成した「道路の中期計画」は、この考え方と全く逆行する性格のものと言えます。
「★都市住民の浮遊票」対「☆道路族の地方票」  の構図です。



(最後に手前味噌ですが、昨年度の建設一般(地域活性化)の私の復元答案の「おわりに」の部分を紹介しておきます。)
 地域活力の停滞は重大な問題であるが、社会資本整備の観点で出せる答えには限界があり、様々な領域と協力した取り組みが必要である。また、人口減少下における土地利用コントロールは社会基盤の基礎的な懸案事項である。人口動態を見通し市街化の抑制を行うことは、モータリゼーションの進展した地方部の活力停滞を招く可能性をも孕む両刃の剣であることを忘れてはならない。
 地域の活性化は、自己責任も伴うものであり、「選ばれる地域づくり」の競争でもある。私は、今後も研鑽を重ね、地域の自立的発展を促し支援することも念頭に置き、社会資本整備に全力で貢献する所存である。
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コメント
この記事へのコメント
mataihenda様(らくちん様)

ご無沙汰しております。
コンパクトシティは、中心市街地活性化の問題の解決策として、主に回答案に出てくるキーワードでしたが、白書が、IPCCを初めとする、地球環境問題を大きく取り上げた為に、「主題」に格上げになるかな~と、自分も予想しておりました。
自分は相変わらず、本屋での立ち読みとか、図書館で借りた本の読解を中心に勉強しております。海道清信さんのコンパクトシティの著書や密集の本を読みながら、少しずつ回答案をまとめようかというところです。
勉強していて思ったのは、いくつかの問題点などで、やはり基礎知識の記憶が必要で、引き出しからすぐに取り出せるようにしておかないと、本番混乱するなーということです。
道路がスプロールを招き、従来の経済スタイル。上物コントロールの都市計画が、コンパクトシティを主張し、地球環境に優しいが、経済や居住者の満足度は二の次という、アンチテーゼは、今の時代を象徴していますね。そうこう言っている内に、地球環境は待ってくれないとは思いますが・・・。
また宜しくお願い致します。
勉強の新鮮味を保つのに苦労しております。都市計画って・・・・何?これは学問と言えるのか?みたいな原理主義的思考が、出てきてしまってます。ありゃりゃ。
2008/05/26(月) 18:36 | URL | P #-[ 編集]
「都市計画って・・・・何?これは学問と言えるのか?」そうですね、まして「科学技術の資格である技術士」にフィットしているのか?
確かに不思議に思うことも多々あります。

私は、都市計画屋は、様々な調整の場に立会い、ふさわしいストーリーを与えることで解決に導くようなことが得意なのではないかと思っています。

(その能力は、ストーリーの構築力ですね、幸い、これは技術士試験には向いているようです。)

そして、主観に近いコンセプトを基にして、得体の知れない多種多様の課題にもめげず、場あたり的に問題解決を図ってゆくことが都市計画屋の仕事ですね。確かに学問らしくもない。ウチの嫁さんも、未だに私の仕事が何なのかよく分かっていないようです。

ま、試験まで、まだ時間はあります。無機質な試験の準備だけではつまらないので、適当に趣味の要素も取り入れて勉強するのも良いと思います。
私の道路対策は、まだまだ過去問を整理しただけです。ボチボチいきましょう。
2008/05/26(月) 19:56 | URL | mataihenda(らくちん技術士) #sSHoJftA[ 編集]
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